夏や冬など、季節を感じる歌があります。私はこれを「季節ソング」と呼んでいます(『ヒット曲に学ぶ作詞の絶妙表現50』より)。秋ソングはほかの季節に比べて少ないのですが、春、夏、冬の歌については、毎年何かしらの新曲がリリースされている印象です。季節ソングの例外として、「春夏秋冬ソング」があります。今回は、「春夏秋冬ソング」を書く際のポイントについてお伝えします。
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春夏秋冬ソングとは?
春夏秋冬ソングとは、その名の通り、四季を取り扱った楽曲。春・夏・秋・冬のどれかひとつをピックアップするのではなく、春・夏・秋・冬のすべてを盛り込み、季節が移り変わるわること、時間が経つことそのものがテーマに大きな影響を与えている歌です。
春夏秋冬ソングのポイント
春夏秋冬ソングは、春・夏・秋・冬のすべての季節について歌詞の中で書くのが原則です。春・夏・冬について書いてあるのに、秋だけは書いていない、などということは基本的にはありません。例を見てみましょう。
- Hilcrhyme(ヒルクライム)『春夏秋冬』
サビで、
「今年の春はどこに行こうか?」
「今年の夏はどこに行こうか?」
「今年の秋はどこに行こうか?」
「今年の冬はどこに行こうか?」
と、それぞれの季節について書いている、とても分かりやすい例ですね。
さらに、1番のラップ歌詞でも季節の描写が登場します。
「春は花見」に始まり、夏のバーベキューや花火、秋の紅葉、冬の雪についてと、すべての季節について書かれていることがわかります。
「春夏秋冬ソング」という言葉で思い出す人も多そうな一曲ですね。
- JUDY AND MARY『散歩道』
タイトルに季節は入っていないものの、JUDY AND MARY「散歩道」も春夏秋冬ソングのひとつです。
1番の歌詞では「春の散歩道」「夏の散歩道」が登場し、2番の歌詞では「秋の散歩道」「冬の散歩道」が登場します。
歌全体を通して、すべての季節について書いていることがわかります。
例外中の例外「上を向いて歩こう」
上を向いて歩こうについては例外中の例外です。「上を向いて歩こう」の歌詞には、冬が登場しません。聞いたときに、なぜ冬だけないのだろうと驚いて調べてみたところ、これは、作詞者の永六輔さんが、“冬が嫌い”だからという理由なんだそう。なるほど、作詞者の好みが歌詞に色濃く反映されていたわけです。
このように何か理由がない限りは、春・夏・秋・冬のすべての季節がひとつの歌詞に入っていることが原則です。
春夏秋冬ソングに耳を澄ませてみよう
季節が流れることを歌詞で表現したい場合に、春夏秋冬ソングを取り入れてみるもの良いでしょう。その際は、それぞれの季節を置き去りにせず、春・夏・秋・冬それぞれの季節について書くことをおすすめします。そうすることで、歌全体としてのバランスが取れ、聴き手にもわかりやすい歌詞に仕上げることにつながります。
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