歌において、歌詞だけでなく、タイトルから受ける印象も大きい、と以前の記事で書きました。歌詞やタイトルだけでなく、曲やメロディーから受ける印象もあります。今回は、メロディーから受ける印象とギャップがある歌について見ていきましょう。
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曲の雰囲気と歌詞の雰囲気は似ているのが基本
歌詞がついていない曲を聞いても、明るい曲、暗い曲、切ない曲など、受け取る印象があるはずです。多くの場合は、明るい曲に明るい歌詞が、暗い(マイナー調の)曲には切ない、悲しい歌詞がついていることが多いです。自分の好きな曲をいくつかピックアップして、耳を澄ませてみましょう。曲の雰囲気と歌詞の雰囲気が似ていることに気づくと思います。
歌詞コンペなどではメロディーをたよりに歌詞を書くことも
歌詞コンペなどでは、曲先(メロディーが先にあってそこに歌詞をつける方法)で歌が作られます。仮歌が入っていることもありますが、歌詞がなく、シンセメロなど、メロディーだけのデモが送られてきて、そこに歌詞をつけることになります。
歌詞のテーマが決まっていることもありますが、テーマが決まっていない時は、そのメロディーをたよりに歌詞を書くことになります。
メロディーだけを聞いても、明るい曲、暗い曲、切ない曲など、受け取る印象があるはずです。作詞をする際には、そういった印象を大切にして、曲の雰囲気に合う言葉を乗せることが大切です。メロディーだけでなく、編曲の雰囲気から受け取る印象もあると思います。メロディーをたくさん聞き込んで、メロディーが何を言おうとしているのかを受け取りましょう。
こちらの記事も参考→詞先(しせん)と曲先(きょくせん)。歌の作られ方を知ろう
曲の雰囲気と歌詞にギャップがある歌
基本的に、曲の雰囲気と歌詞の雰囲気は似ているものですが、稀に、曲の雰囲気と歌詞にギャップがある歌もあります。
たとえば、サザンオールスターズ「別離(わかれ)」。タイトルからも悲しい印象を受けますが、歌詞の内容も、「涙とめどなく溢れくる」から始まり、サビでは「悲しい恋の終わりは予期せぬさだめのreincarnation」と、愛する相手との永遠の別れを描いた歌詞になっています。タイトルと歌詞を見ると、暗い曲、悲しいバラードを想像するのではないでしょうか。
しかし、歌を聴いてみると、とても明るいメロディーで驚きます。しかし、悲しみ、しかもただの失恋ではなく、永遠の別れという悲しみを明るいメロディーに乗せることによって、強がっている主人公を思い浮かべたり、明るいメロディーが逆に悲しみを増幅させたりと、様々な効果を生んでいる歌のように思います。
まとめ
歌詞を書くときに、メロディーから受ける印象を意識することは大切です。ただし、明るい歌には必ず明るい言葉を、と決まっているわけではありません。「別離(わかれ)」のように、あえてギャップを持たせることで切なさを増幅させる効果を生むこともあります。忘れてはいけないのは、歌にとって、歌詞、タイトル、曲はどれも外せない要素だということ。歌詞を書くときには、ただ書きたいことをメロディーに乗せるのではなく、曲やメロディーにどう寄り添うのかを考えることが大切なのです。
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