「青いまま枯れて行く あなたを好きなままで消えて行く」―――back number「ハッピーエンド」のサビの歌詞です。サビの歌詞を見てもわかるように、これは失恋ソング。しかしそのタイトルは「ハッピーエンド」となっています。歌におけるタイトルの役割と、back numberの失恋ソングに「ハッピーエンド」というタイトルがついている理由について見ていきたいと思います。
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歌のタイトルは歌詞全体の内容を表すもの
基本的に、タイトルは歌の「顔」であり、歌全体のキャッチコピーとなる言葉を選ぶのが基本です(『作詞入門 実例で学ぶポイントとコツ』 104ページ)。
歌を聴かずに、タイトルを見たり聞いたりしただけで、なんとなく歌の内容が想像できるということがあると思います。タイトルは、サビの歌詞からとっているもの、サビ以外の歌詞からとっているもの、歌詞の中には登場しない言葉をつけているもの、様々ありますが、どれも歌の内容を反映させるのが基本です。
タイトルの印象と歌詞の内容が異なる歌もある
タイトルは歌の内容を反映させるのが基本ですが、稀に、タイトルの印象と歌詞の内容が異なるように感じる歌もあります。
たとえば、ゴールデンボンバー「幸せな歌」。歌詞の内容も幸せに満ち溢れた歌かと思いきや、「幸せな歌を歌いたい けれど僕は幸せを知らない」という、「不幸せな主人公」を描いています。これはギャップを狙った、ウィットに富んだタイトルの付け方ですね。
back number「ハッピーエンド」の意味は?
では、back number「ハッピーエンド」の歌詞はどうでしょう。
作詞の清水依与吏さんは、タイトルが「ハッピーエンド」であるにもかかわらず失恋ソングであることに対し、ネットでのインタビューで、下記のように話しています。
嘘八百の歌ですねえ。(略)せっかくこの女の子が強がって、相手にとってのハッピーエンドにしたいのかなんなのか、一生懸命に嘘を吐いているので、だったらタイトルまで嘘を吐かせてあげないと可哀想だなあと思って。
(参照:https://www.uta-net.com/user/close_up/2016_backnumber/index.html)
作詞家から歌の主人公に対する優しさを感じますね!とても優しい嘘です。
個人的には、「ハッピーエンド」=「ハッピーなエンド」ではなく、「ハッピーがエンド」、つまり幸せが終わったことを意味していたのかと思っていましたが、とても浅い考察でしたね…!(その解釈の場合、タイトルと歌詞の内容が同じになります!)。
まとめ
このように、タイトルと歌詞の内容にギャップがあると、「あれっ」と気になったり驚いたりします。これもある種の「キャッチーさ」だと言えるでしょう。
歌詞だけでなく、タイトルから受ける印象も大きいものです。歌詞を書くときに、歌詞の内容だけでなく、タイトルにこだわることはとても大切です。
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