皆さんは「タイパ」という言葉を知っていますか?「タイパ」は2022年、る三省堂が発表した「今年の新語2022」の大賞に選ばれ、近年注目を集めている言葉です。音楽の聴き方とも関係が深い「タイパ」。いったいどのような意味で、音楽にはどのように影響するのでしょうか。
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「タイパ」=「タイムパフォーマンス」の略
「タイパ」とはタイムパフォーマンスの略です。よく、低い費用(コスト)で高い効果(パフォーマンス)が得られることを「コストパフォーマンス」と言い、「コスパ」と略すことがありますね。「タイムパフォーマンス」「タイパ」も同じような使われ方で、費やした時間に対する満足度のことを指します。
「タイパ」が普及した背景は?
近年、SNSやサブスクリプションサービスなどの普及によって、情報量は大きく増えました。ニュースやタイムライン上の情報だけでなく、音楽や動画などのコンテンツも膨大です。そんな中、すべての情報をチェックしていては、時間が足りません。情報を取捨選択することは必要なスキルともいえます。そのため、自分に必要な情報や欲しい情報に最短ルートで辿りつくことを目指す人が増えているのです。
「タイパ」の音楽への影響は?
例えば、Z世代は映画などのコンテンツを倍速視聴する人が多いと言われています。倍速市長だけでなく、コンテンツを飛ばして見る「スキップ視聴」や、要約だけ把握する「ネタバレ視聴」などの需要もあるようです。さらに、音楽ではショート動画やTikTokなどで、短時間で視聴する機会も増えています。そのため、歌のサビだけを聴いたり、冒頭でインパクトがないとスルーされてしまう傾向もあるのです。
「タイパ」のイントロへの影響は?
京都精華大学で「音楽論」を教えている高野寛・客員教授によると、最近の若者は曲をスキップ(飛ばす)する。サブスク時代になって、その傾向がより顕著になってきたと感じているそう(参照:「曲のイントロ飛ばす」は何割?)。また、アメリカの大学院生が行った研究結果によると、1980年代はイントロが平均で約20秒だったのが、2010年代においては約5秒にまで短くなっているという研究結果もあります(参照:若者が「ギターソロ飛ばす問題」は本当? 音楽ライターが近年ヒット曲&データをもとに分析してみた)。
まとめ
もちろん、すべての人がイントロを聴かないというわけではありませんし、イントロこそが素晴らしい曲も世の中にはたくさんあります。しかし、音楽の聴かれ方が変わることで、音楽そのものも形を変えていくということは、どの時代にでもあることかもしれません。まさに音楽は時代を反映すると言えそうです。
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