あなたは歌詞に比喩表現をよく使いますか?
そう聞かれてもあまりピンと来ないかもしれません。しかし、歌詞を書く上で、比喩表現はとても重要なものです。作詞家になるには、比喩を使いこなすことは非常に大切です。今回は、歌詞の中での比喩表現について考えていきましょう。
こちらの記事もオススメ
・作詞家になるには反復法を極めよう。繰り返しは何度までが最適?
・Official髭男dism「ミックスナッツ」の歌詞に学ぶ比喩表現
・作詞家になるには、韻を踏むことを知ろう。「韻パクト」のある歌詞を紹介
・商品名を歌詞に入れても大丈夫?注意点とJ-POPにおける例
・サビに多く使われる言葉とは?作詞のポイントを解説
比喩表現には「直喩」と「隠喩」がある
比喩とは、ある事象をわかりやすく説明するために、似ているものにたとえることをいいます。比喩には直喩と隠喩の2種類があります。
直喩が使われている歌詞
「ようだ」「まるで」などのたとえを表す言葉が使われていて、比喩であることがはっきりとわかる表現を「直喩」または「明喩」といいます。「彼女は太陽のように眩しい」「まるで真夜中のように暗い」などが直喩です。英語ではsimile(シマリー)といいます。
直喩が使われている歌詞のタイトルには以下のようなものがあります。
【歌詞タイトル】
・白い雲のように(猿岩石)
・輝く月のように(Superfly)
「ようだ」「まるで」のほかに、「あたかも」「さながら」「ような」「ごとく」「みたいな」などを使う場合も直喩表現になります。
【歌詞の一部】
飛行機の窓から見下ろした知らない街の夜景みたいだ 『Pretender』 Official髭男dism
春の風を待つあの花のように『勿忘』Awesome City Club
Awesome City Clubの『勿忘』は映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングとしてヒットしましたね。
※インスパイアソングについてはこちらの記事で詳しく解説しています!
隠喩が使われている歌詞
直喩に対して、「ようだ」「まるで」などの言葉を使わず、比喩であることがはっきりとはわからない表現を「隠喩」または「暗喩」といいます。英語ではmetaphor(メタファー)と言います。白い肌を「雪の肌」と言うなど。
隠喩が使われている歌詞、歌詞タイトルには以下のようなものがあります。
【歌詞タイトル】
・君は太陽(スピッツ)
・あなたは煙草 私はシャボン(ラブリーサマーちゃん)
・裸の心(あいみょん)
【歌詞の一部】
・僕の心臓のBPMは190になったぞ 『君はロックを聴かない』(あいみょん)
ヒット曲「ドライフラワー」「魔法の絨毯」に見る比喩表現
2021年のヒット曲で直喩が印象的な2曲があります。
・優里『ドライフラワー』
サビの歌詞で
「ドライフラワーみたい 君との日々もきっときっときっときっと 色褪せる」
と直喩が使われています。
・川崎鷹也『魔法の絨毯』
こちらもサビの歌詞で
「アラジンのように魔法の絨毯に乗って 迎えに行くよ、魔法は使えないけど」
と直喩が使われています。
このように、比喩表現を使うことで曲のイメージが沸きやすく、印象に残るフレーズになっています。この2曲のように、サビやタイトルでわかりやすく比喩表現が使われている歌もたくさんありますが、そうではなく、Bメロなどあまり目立たない箇所に比喩表現が使われていたり、1曲の中で多数の比喩表現が登場したりということも少なくありません。心が動いたことを他の誰かに伝えたいとき、より理解してもらえるように「たとえ」の表現を使うことが多いと思います。「気持ちを訴える」ために歌があるとすれば、歌詞と比喩表現は切っても切り離せない関係とも言えるでしょう。
比喩表現がたくさん使われている歌詞として、Official髭男dismさん「ミックスナッツ」も挙げられます。こちらの記事をご参照下さい。→・Official髭男dism「ミックスナッツ」の歌詞に学ぶ比喩表現
歌詞に比喩を取り入れてありきたりな表現から脱却しよう!
歌詞の中で比喩を使うと、ありきたりな表現から脱却できるとともに、聞いた人の印象に残りやすいというメリットがあります。また、比喩表現には歌の主人公ならではの視点が生まれるので、オリジナリティに溢れた作品を目指せます。
ご自身の書いた歌詞で物足りなさを感じたら、ぜひ比喩表現を取り入れてみてはいかがでしょうか。
こちらの記事も読んでみよう
・「エモい」って何?エモい歌を目指すために必要なこととは?
・作詞では言葉の持つ「音」に注目しよう。歌手の声や表情をイメージすることも大切
・商品名を歌詞に入れても大丈夫?注意点とJ-POPにおける例
・サビに多く使われる言葉とは?作詞のポイントを解説
・2番の歌詞も手を抜けない?TikTokが広げた音楽の楽しみ方