歌詞で韻を踏むと、テンポの良いリズムを生むことが出来ます。「韻」と聞くとラップの歌詞という印象があるかもしれません。実際、ラップの歌詞はたくさん韻を踏んでいるものが多いですが、J-POPなどラップ以外の歌詞にも韻はよく使われます。作詞家になるには、韻を踏むことを知ることも大切です。韻をたくさん踏んで綺麗な響きを生んでいる「韻パクトのある」歌を、最近のヒット曲を例に見ていきましょう。
ちなみに、韻は英語で「rhyme(ライム)」と言います。そして画像は果実のライム(Lime)です。ライムとライムで韻を踏んでいますね(ダジャレです)!
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「韻を踏む」とはどういうこと?
「韻」とは言葉の響きのことを指します。言葉同士の母音(a・i・u・e・o)を合わせて、似た響きの言葉を並べることを「韻を踏む」「押韻」と言います。韻を踏んだ言葉は、口に出した時に、普通に話すよりもテンポよく聞こえます。J-POPなどの歌詞では、同じメロディーの箇所で韻を踏むことが多くなっています。(参照:『作詞入門 実例で学ぶポイントとコツ』204ページ)
Tani Yuukiさん『W/X/Y』の韻パクト
まずわかりやすい例を見てみましょう。Tani Yuukiさんの『W/X/Y』のサビでは、同じメロディーの箇所で韻を踏んでいます。
戯れるSlowly flowing day(o・i・o・i・e)
愛してるも通り越して(o・i・o・i・e)
似た者同士こうして(o・i・o・i・e)
年老いるまで笑っていたいね
君がいなきゃlonely lonely day(o・i・o・i・e)
夢の中 Fall asleep in bed. (o・a・i・i・e)
起こすからmorning callで(o・i・o・u・e)
I’ll protect you from nightmares, Baby
同じメロディーの箇所で韻を踏み、かつそれがサビの目立つ箇所となっているため、非常に耳ざわりのよい歌詞になっています。
このように、文末(メロディーの切れ目)で韻を踏むことは多いですが、実は『W/X/Y』ではサビ以外にも韻を踏んでいる箇所が多々あります。たとえばAメロでは、文末(メロディーの切れ目)ではなく文頭(メロディーの始まり)でも韻を踏んでいます。
垂れ(a・e)流したテレビの音(o・o)
溜め(a・e)てしまった洗濯物は今日こそ(o・o)
晴れ(a・e)でもあえて外には出ないでいよう(i・o)
映え(a・e)ないスナックとアルコールで乾杯をしよう(i・o)
SEKAI NO OWARIさん『Habit』の韻パクト
少し珍しい韻の踏み方をしているのがSEKAI NO OWARIさん『Habit』。
こちらもサビの歌詞を見てみましょう。
俺たちだって動物(o-・u・u)
こーゆーのって好物(o-・u・u)
ここまで言われたらどう?普通(o-・u・u)
腹の底からこうふつ(o-・u・u)ふつと
こちらは、最初の2行は文末(メロディーの切れ目)で韻を踏んでいますが、最後の2行は文末ではなく文の途中、最後の1行に関してはメロディーの切れ目ではない部分で韻を踏んでいます。しかし、この場合も、同じメロディーの箇所で韻を踏んでいます。この箇所で必ず韻を踏むぞ、という意思が感じられますね。結果的に、聴こえてきたときに面白い響きを生んでおり、非常にキャッチーなサビに仕上がっています。
歌詞を書くときには積極的に韻を踏んでみよう
このように、韻を踏む箇所を決めて、言葉を探してくるという作業は、作詞をするなかでよくあります。なんだか堅苦しい歌詞になっていたり、歌っていて歌いにくいような歌詞になっていたら、是非積極的に韻を踏んでみてはいかがでしょうか。
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